町はずれにある家。もう長らく人は住んでいない。会社への通勤途中にあり、ある日、割れた窓ガラスから中を覗くことができることに気づいた。何気なく、覗いでみたところ、中には、鉄製の金庫があった。中には何が入っているのだろう。もしかして、現金が入っているかもしれない。宝石の可能性もある。ある夜、私は、その廃墟に忍び込み、金庫を開けてみることにした。
窓ガラスを壊し、中に侵入した。金庫には、鍵がかかっていた。ダイヤル錠だ。ランダムに回してみたが、開かなかった。その日はあきらめて、廃墟を後にした。
廃墟の金庫。一体、あの廃墟には誰が住んでいたのだろう。どんな経緯で廃墟になってしまったのか。調べることにした。簡単に調べはついた。どうやら、あの家に人が無人になったのは、20年ほど前らしい。老婆とその息子が住んでいたらしい。息子には知的障害があったらしく、年老いた母親と二人住んでいたとのことであった。それがあるとき、忽然と二人は消えてしまったのだ。
また、家に忍び込んだ。あかりが漏れないように細心の注意を払って懐中電灯で、家の中を調べる。
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